明治43年(1910年)5月19日、ハレー彗星の太陽面通過を世界でただ一人、観測したことから、野の天文学者として知られる前原寅彦。自ら時計商をしながら、独自の天体研究を冷害・飢饉に向け、失明後も済民の志を持って生涯観測し続けました。
熊本でも大騒ぎとなったり、便乗商売が横行したという話しを聞いたことがあります。ハレー彗星の大きなシッポが地球にかかるので空気がその間無くなるとか、洗面器に顔をつけてどれだけ我慢できるかなどといった訓練もあったと言います。世界中同様だったのでしょうか、パニックの最中に顔を上げて観測したから前原寅彦が唯一の観測者となったのかしら。